リハビリ部会のご紹介

セラピストインタビュー:回復期(大垣徳洲会病院)

何を思い、患者さんと向き合うのか ~急性期・回復期・生活期~

徳洲会グループでは数多くのセラピストが、急性期、回復期、生活期といったさまざまなフィールドで活躍しています。現場で活動しているセラピストに、仕事のやりがいや苦労話、患者さんとのエピソードなどについて聞きました。

回復期 : ADLの向上と在宅への復帰を目指す

座談会 — 変化を敏感に感じやりがい

大垣徳洲会病院 作業療法士・理学療法士・言語聴覚士

大垣徳洲会病院では、回復期病棟を2012年10月に開棟して以来、約2年半が経過しました。同棟に勤務する3名が、日頃の想いを聞かせてくれました。

日比:
今日は、大垣徳洲会の回復期で活躍する3人に、回復期病棟についてお話をうかがいたいと思います。大垣で回復期病棟が開棟したのは2012年10月でしたね。もう2年半になるわけですが、皆さんは、開棟当初から関わっていらっしゃるのですか。
安井・柳瀬:
はい。
岩崎:
僕は2013年の春に入職したので、少し後からということになりますね。

回復期病棟におけるやりがいとは?

日比:
一般病棟と比べて、こんなところにやりがいを感じる、ということはありましたか?
安井:
回復期病棟では基本的に、ご自宅に退院してもらうということを目標にしているので、家の環境に即したリハビリを考えたり、家屋調査に行ったり、やりたいこと、やらなくてはいけないことはたくさんあるのですが、それが思う存分できるというのがいいですね。
岩崎:
回復期病棟は一般病棟と比べて、長い期間通して関われますよね。そのなかで、患者さんの変化をみられるのが、僕自身も勉強になります。一緒に頑張った患者さんが、 実際退院を迎えられるっていうのが。実際は、そこからがスタートなのでしょうけど、そこでいったん区切りというか、無事退院を迎えられたというのが、よかったなあと思います。
柳瀬:
岩崎君が言ったように、長い期間関われるというのもあるし、リハビリ1回にかけられる時間も、一般病棟より長いというのもありますね。なかには本当に、家に帰れるのか帰れないのかという瀬戸際でリハビリを進めてきた人もいて、そういう人が、よくなって家に帰れたときは、すごくうれしかったですね。

回復期病棟ならではの苦労とは?

日比:
では逆に、回復期病棟ならではの大変なところはどんなところですか。
岩崎:
急性期の一般病棟などでは、急性期の管理のなかで状態が落ち着くことが先決というのがまずありますよね。でも回復期に移ってこられた人に関しては、そこで新しい生活 の方向性を決めなくてはいけません。基本的には自宅を目指しているわけですが、そのな かでも、ものすごく介助量の多い人や、現実的に帰れないということもなかにはあると思います。そのような人のゴール設定をどうするかが難しいと思います。
安井:
残念ながら障害が多く残ってしまった方に対して、最終的な家族との話し合いや、 環境調整というか、どうやって介助していったらいいかという話し合いは、大変なことがありますよね。あとは、ちょっと違った視点では、この地域は、まだ「回復期病棟」や「回復期のリハビリテーション」というものに対しての認識というか理解に差があります。例えばケアマネジャーさんやほかの医療職の方、家族の方々に「回復期って実際何なんや」というところから話をしなくてはいけなかったり。そこを知らないと、今後の話をするときに、なかなかスムーズに話がいかない場面があって、困るということがありますね。
日比:
「回復期」という言葉のイメージというか字面だけが先行してしまって、実際的な部 分がまだ浸透していないところが、確かにあるかもしれませんね。
柳瀬:
先ほど長く入院できるのがいいことと言ったのですが、逆に言えば、長く入院できるから、予後予測や退院のタイミングを計画するのがすごく難しいと思います。それから、基本的なルールとして、例えば入棟期限というのがあって、それは家族や本人にも伝えていると思うのですが、長くいれば良いというものでもないのです。退院するべきタイミングで退院するべきだというのをわかってもらったり、自分自身それを見極めるのが難しいと思います。

多職種連携のポイントは?

日比:
調整役みたいなことを担わなければならないこともありますよね。他職種の連携について、気を付けていることや工夫していることはありますか。
安井:
例えば、高次脳機能障害や認知症など、なかなか目には見えてこないところがあると思うので、そのあたりは、細かく伝えるようにしています。相手が、ケアマネジャーさんであったり、ソーシャルワーカーさんであったり、次の施設の担当者であったり、いろいろな方がみえますけど、その辺がわかりやすく伝わるようには心がけています。相手の職種の仕事の内容を自分なりに理解して、例えば、具体的な食事動作や排泄動作の介助方法を実践も交えてお伝えしたり、あるいは退院後のリハビリに、何がどの程度必要なのかなどについても伝えています。あとは、その人の意欲・体力やキャラクター的なことなど、それぞれの職種で必要と思われる内容については、丁寧に伝えるようにはしています。
柳瀬:
あと、当たり前かもしれませんが、カンファレンスなどにはできるだけ出るようにしていますね。そういうときに他部署の人が集まりやすいので、カンファレンスの最中だけでなくて、終わった後にも話がしやすいと思います。
日比:
日常的な業務のなかで、コミュニケーションを取る工夫は意外と大事ですよね。人が集まるタイミングを、うまく利用して情報共有していくというのは大事です。そのほかの業務を抱えながらにもなるわけですし、リハビリの都合だけでは難しいことも当然ありますね。
岩崎:
カンファレンスは定期的にきちんと開かれていますよね。そこにリハビリスタッフも、看護師さん、薬剤師さん、MSWさん、もちろん医師も含まれているので、できるだけ参加するとか、できないにしても、しっかり情報を共有するのは大事かなと思っています。あとは、早出や遅出などを行っている病院がありますよね。ここの病院はまだスタッフが少ないので、そういうところまではできていませんが、夜間や早朝の様子など、普段、僕たちが接しない病棟での様子を看護師さんなどに聞くようにしています。そういうことは、大事だと思います。

回復期リハビリに携わる人たちへ

日比:
では最後に、これから回復期に携わっていく方々に一言お願いします。
安井:
患者さんのためにやるべきことはすごくたくさん、山のようにあるので大変ですが、その分、患者さんの変化を敏感に感じられると、よりやりがいも感じられると思います。
岩崎:
制度的なところで、発症後2ヵ月以内とか、入棟後いつまでのようなルールというのは、今までずっと同じだったわけではなくて徐々に改定されて今の状態になっているだけで、今後の改定では期間や上限の単位数が減らされていくかもしれません。「医療保険から介護保険へ」と盛んにいわれていますし。でも、回復期でリハビリをやっていて、大事だなと思うのです。だから、そこを認めてもらうには、結果を出していくのが一番だと思います。そこに向かって一緒に頑張っていければいいなと思っています。
柳瀬:
一対一で、長い時間患者さんと向き合えるので、細かいところまでアプローチできるとは思いますし、回復期で入院が長引いた人などでも、家に帰れるときが一番うれしいので、根気強く取り組んでもらえたらと思います。

ページの先頭へ